「でもさ……」
健人が心底不思議そうに呟いた。
「……あの子、深町さん、印象が噂と違ったな。なんていうか、もう少し……あれだな。花が咲いた感じ?」
とても気障な疑問だ。それに印象は人それぞれなのだし……
「当ったり前じゃない」
答えなどあるわけがない。そう思っていた問いに、伊達さんが胸を張った。
「どうして?」「どーしてだよ?」
欠片も導き出せない僕たちは、素直に教えを請うしかなかった。
そうして、女性の心情が繰り広げられた。
「花が咲いたら、気持ちが溢れてしまう。そうしちゃいけない、怯えさせちゃいけない、約束したんだからって、森野君の前では抑えてたんだよ。普通にしててもね、愛しい気持ちは咲いちゃうんだよ。――それは、今も同じかもよ? 彼女からの接客中、貴女の恋はどうなのって訊いた時の顔、アタシはまだ咲いてるように見えた」
僕の内側も、
「正解は知らない。アタシの印象。森野くんは、確かめる気、ないの?」
そんなふうに溢れていただろうか。
溢れさせていたら、どうなっていただろうか。



