コトノハの園で



――


きっと、伊達さんの言う通りだ。


けれど……


「……でも、もう遅いよ。深町さんは区切りをつけたんだ。それに……恋愛を、好きになる気持ちは否定しないけど、それ以上は望んでなかった。そんな彼女にもし近付いたら……。僕にだって、それくらいのことは可能なんだ」


あの時だって、拒まれた。


「距離を保てるっていう安心感が土台にあって、あの時間はあってくれてたんだ。――とても、僕のことを考えてくれた。健人は違うっていうけど、本当に優先されていた。だから……これ以上背負わせたくない。怯えさせたくない。幸せに、笑っていてほしいんだ」


記憶に残してもらえるのなら、どうか、かけた迷惑はひとつでも少なくなんて、未練がましいけれど。


「キレイな言葉だけど、拒まれるのも怖かったんだよね」


「うん……その通りだ」


傷付く人生であれと望んだのに。


本当に、中途半端だ。





「千花。透が窒息死しそうだからもう終わり」


頃合を見計り戻ってきた健人により、ひと騒動はお開きとなった。


「ごめん、森野君」


同時に呼吸も楽になる。


「いや。かえって気が楽になったくらい」


「ヤだ。そんな趣味?」


「ははっ、違うって」


「うん――知ってるよ」


「――、ありがとう」