「あっ、そうだっ!! 伊達さんにはまだ直接言ってなかった。――結婚、おめでとうございます」
気まずさを振り払うためではなく、忘れないうちに伝えるべきことは言葉にしておいた。
伊達さんが、健人までもがふわりと微笑む。それは当然か。ふたりのことなのだから。
「うん。ありがとうございます。森野君にそう言ってもらえるの、とっても嬉しい」
「僕も嬉しいよ」
幸せそうに言ってくれたあと、伊達さんはソファーの横に積んである結婚式場の資料をひとつ手に取った。
「ほんと、早く決めないといけないことだらけなんだけど、楽しいんだ」
式場の資料と一緒に、大量の洋菓子も置いてある。
「そのお菓子もすごいね。引き出物候補とか?」
それは、コンビニやスーパーで販売しているようなものではなく、もっと豪華な。
「うーん。二次会関係かな。買いすぎちゃった。――テンション上がるんだよね。ああいうとこ行くと。たくさんあるから鍋のあとにでも食べよっ」
「僕はもう食事だけでいっぱいかもしれない」
すると、ふたりから何故か責められた。まだ食べていないだろうと。……いや。四人前はあった鍋をほとんど空にしているのだからそれは間違っていると思うのだけれど。



