「しないわけではないですが、得意という程でもなくて……」
手作りならなんとか作れるけれど、シン様は小さい頃からお菓子を食べているようなので確実に難易度は上がる。
そう思うとますます自信はなくなっていく。
「そうなの? 前に食べたおかゆがとてもおいしかったのに……」
え……?
私はじっとシン様を見てしまう。言葉の内容から察すると、それは前に体調を崩したシン様に作ったおかゆのことなのかな……?
でもあれはリィちゃんが持って行ってほめてもらったって……。
「あの時はカリーナが自分も食べたいと言い出してちょっと大変だったよ」
おかしそうに笑う様子を見てそういえばと考える。
リィちゃん達はそういう風に振る舞っていただけだから、あの時の言葉も上辺だったのだと気づかされた。
「あの時は何かを召し上がってほしいと思っていたので……」
「いつでもいいから、お菓子も食べてみたいな」
「ね?」と優しく言われたら断ることもできなくなって私は曖昧に頷いた。