「あたしはソーレ。娘をよろしく頼むよ。空いてる席に座って待ってな。お昼をごちそうするからね」
私達はお母さんの言葉に頷き、お昼ご飯をここで食べることにした。
お母さんが作ってくれたのは冷製パスタ。暑い今の季節でもさっぱりして食べやすく、デザートのゼリーとあわせておいしかった。
名残惜しいけどそろそろ行こうかと席を立ち、王宮に戻る前に後でもう一度会おうと声をかけるつもりでお母さんのところに向かう。
「カルドーレがいてちょうどよかったよ!」
「え……?」
助かったとエプロンを渡されて嫌な予感に口元が引きつる。
「助っ人よろしく」と肩を叩かれ、お昼時に出会ってしまったことを少し恨んだ。
***
それからの時間はあっという間に過ぎていく。
次から次へとくるお客さんの注文をとってできた料理を運んで。
会計の列に駆けつけたりと目まぐるしい。
リィちゃんと馬車の運転手さんにお昼を届けてきたメイさんまで駆り出されて申し訳なく思ってしまう。
お昼の時間帯が過ぎるとお客さんの出入りは落ち着き、ホッと息を吐き出した。
「みんなのおかげで助かったよ!」
ははは、と笑うお母さんと眉を下げて笑うお父さん。
きっとお父さんのことだから「相変わらず元気だなぁ」くらいに思ってるんだと思う。
「助かったじゃないよ! 私だけならいいけどリィちゃんやメイさんまで手伝わせてさ……」
「リィは楽しかったよ!」
「わたしもいい経験になりました!」
二人は嫌な顔一つせずに接客してくれて、終わった後も笑顔でそう言ってくれたことが嬉しくて。
「ありがとうございます」と涙ぐむ私をお母さんが横から肘で突いてきた。
「泣いてないでこれ持って帰りな」
透明な袋に入ったお菓子がかごにいくつも入れられていて、中を見るとクッキーのよう。
「お礼がわりのお菓子だよ。帰ったらみんなで食べるんだよ」

