先の尖ったペンの半分ほどの長さの棒を五本ずつ受けとって、リィちゃんと顔を見合わせる。
「的が二つあるから一緒に投げよう?」
「うん。リィはあの大きなぬいぐるみ目指して頑張るからね!」
せーの、で二人合わせて棒を投げた。
***
「リィの勝ちだね」
ルンルンと鼻歌を歌いながらリィちゃんはぬいぐるみを抱きしめている。
的当て勝負はリィちゃんの圧勝。
私は自分が運動音痴でこのようなものも苦手なことをすっかり忘れていて、五本全部的から外れるというダメっぷりを発揮。
五本全てをほぼ真ん中に当てたリィちゃんは二番目にいい景品を受けとった。
「リィちゃんすごいね。私なんて全部外れちゃったよ……」
「ありがとう。でも一番いいのもらえなかったからそこが残念かなぁ」
「二番でもすごいよ。次はどこに行く?」
ぬいぐるみをメイさんに預けている様子を見ながら聞くと、リィちゃんはまた違うお店を指差したのでそこへ向かう。
それを何回か繰り返すとリィちゃんは自分のお腹に触れた。
「そろそろお昼ご飯にしよう? お腹空いてきちゃった……」
空を見ると太陽はほぼ真上でお昼を知らせる。
そう思うと私も急にお腹が空いてきた気がしてお店を見回す。
「そこの嬢ちゃん達、ウチに寄ってかないかい?」
ハキハキとした女性の声に私は後ろの方を振り返る――そして驚いた。
馴染みのエプロンを身にまとい、赤茶色の髪を後ろの高い位置に結び、瞳は私と同じ色。お母さんが何故か露店を出していた。
驚く私を見てニヤリと笑っているけれど、こんな形で会うとは思いもしていなかったので言葉が出てこない。
「久しぶりだねぇ。そんなに驚いてもらえて露店を出したかいがあったってもんだよ!」
大きな声で笑うお母さんにポカンとしてしまい、リィちゃんに声をかけられてハッとした。
「この人カルちゃんの知り合いの人?」
「私のお母さんだよ。お母さん、こちらはお世話になってるカリーナさんとメイさん」
二人の横に立ってお母さんに二人を紹介。
明るく「カリーナです!」と話すリィちゃん。
メイさんは「メイと申します……!」と何故か涙ぐんでしまっていて不思議に思ったけれど、何でもないと返されたので聞くのを止めた。
お母さんは二人を見て久しぶりに感じるニカッとした笑みを浮かべる。

