「お前も同じようなものだろう? 協力するかわりにお前とカルドーレがもとの時代に帰られるようにしろと条件を出したのだからな」
「当たり前です。協力するからにはそれ相応の対価をいただかないと困りますから」
「さすが私の息子だけはあるな」
「ふふふ、それほどでも」
じっと見合って笑い出した二人を見て背筋に寒いものを感じる。
おかしいな……。シン様って優しくて穏やかな人だったよね……?
わざわざ聞くのもなんだか怖かったので私は二人の笑いがおさまるのを待つ。
やがて笑いがおさまった二人は真剣な表情になり、ルニコ様は私のほうへと視線を向けてきた。
「カルドーレよ。帰る前に聞いておきたいことはあるか?」
「何でも聞くがよい」と言うルニコ様に私は考える。
アガタ様とジーア国王様はセルペンテ国内でルニコ様を筆頭に王族の監視下のもとで生活をすると聞いている。
ジーア国王様の側近以外の部下の人やメイドの人達はみんな術により操られていたらしく、術者の人がシン様との衝突で倒れたことにより正気をとり戻した。
側近以外の人が罪に問われる可能性はまずないとも聞いたし、未だ意識のない術者はルニコ様が最期まで看取ってくれるそうだ。
けれど、国王様を失ったジーア国の人達はこれからどうなってしまうのだろうか。
私が今聞きたいことはこれだけ。未来に帰ることが決まっているのにこちらのことを聞いてもいいのか迷ってしまい、私はおずおずと口を開いた。
「あの、これからジーア国はどうなってしまうのでしょうか? 術をかけられていた人や、強制労働をさせられていた人、他にもたくさんいる国民の方はどうなりますか……?」
「カル……」
シン様が微笑んで優しく手を握ってくれて、握り返しながら「聞きたいことはこれだけです」と言い終える。
ルニコ様は顎に手をあてて考えるような仕草を見せた。
「そのことについては追々決めることになるが、恐らくセルペンテの王族の保護のもとでジーアの国民はあの土地で過ごすことになるだろう。――心配は無用だ。悪いようにはせん」
「ありがとうございます……!」
ルニコ様の言葉にホッと息を吐く。
ルニコ様がそう言ってくれるならきっとジーア国の人達はこれから自由に暮らせると思うから。

