左半身が白い鱗で覆われ、左の目は真っ赤に光って細長い瞳孔が右目と協力して辺りを見る。
シン様がゆったりと近づくとまわりの人は後ずさり、それを何度か繰り返していると私の腕をつかんでいた人がじれたのか私を解放してシン様へと向かっていった。
「人間だか蛇だか知らねぇが一人できたことを後悔するんだな――!」
男性が唸るような声をあげてシン様に向かうとみんなが一斉にシン様へと襲いかかる。
「シン様……!」
どうすることもできずにその場で名前を呼ぶと、シン様に向かっていった人達が一瞬で吹き飛んだ。
何が起きたのか分からず立ちつくしてしまうと、まるで風にのってきたかのような軽やかさで目の前にシン様が立っていた。
「――カル。遅くなってごめんね……」
「シン様、会いたかったです……!」
私はたまらずシン様にギュッと抱きついた。
私より低い体温をひどく懐かしく感じてしまい、胸元にすがりつく。
「もう会えないかと思いました……っ」
「カル……。もう君を離したりしない――」
抱きしめ合っていると近づいてくる人の気配に二人そろって奥のほうを見る。
するとそこにはジーア国王様と私を連れてきた男性、術者がいた。
「これはこれは……。セルペンテ国の王子が如何様なことで参られたのか」
「ジーア国王。あなた方が代々続けてきた悪しき習慣について、ようやくつかむことができました」
シン様の言葉に国王様の眉が動いたけれど余裕の笑みは崩れない。
「ほう? それはどんなものだね?」
「話してみるがいい」と言う国王様にシン様は「みんな、入っておいで」と言う。
すると外からたくさんの人がゾロゾロと入ってきて、中には私が強制労働場で会った人もいた。
「術をかけて国民の出国を阻み、気に入らない者には強制的な労働を。若い女性は術で操り自分の身の回りに侍らせる。そして高い税で私腹を肥やす。全て国王としてあるまじき所業です」
「そんなもの証拠はどこにある? 国民の戯言にすぎん!」
「セルペンテ国王は何代にもわたって訪問しているではないか!」と口調を強めるジーア国王様に、シン様は赤い目を細めて術者を見た。

