【完】翼龍 ヨクリュウ ~あたしとクールで腹黒な総長と~



ドアを開けると悠貴がさなに乗っていた。

いや、押さえ込んでいる?



「黙って。」


そういって、また悠貴の顔がさなに近づいた。

ゆるせねぇ。



「おい。悠貴。

それ以上は、ゆるさねえぞ。」







「いらっしゃい。

久しぶりだね。涼。」


悠貴は笑顔のまま告げた。


ふざけたことを。



「なにしてるんだ」





笑みをたたえたままの悠貴。



「なにって、さなに俺の愛を現してたんだけど?」



そういうが早いか、さなを抱き寄せて、

胸元や首筋を見せつけて来る






「ふざけんな

いやがってただろ!」



流れる汗が気持ち悪い。


悠貴って、こんな奴だったか?




「関係ないんじゃない?

君には。

彼女のこと、ふったんでしょ?」


悠貴が、さなの首筋をナメながらいう。


告白されて・・・

あれ?ない

自惚れてたのか?

いや!






「それは!」

「ちがうとでも?」



悠貴は、余裕ありげに笑う


「そいつが、好きなのは俺なんだよ。

しかも、翼龍のメンバー。

俺のもんに決まってんだろ」


俺はなんでこんな必死に言い返してんだ。




「ほら。メンバーってだけなら、

さな じゃなくてもええやろ?」


わかんねぇ


でも

取られたくねぇ



「チッ。俺の女にてぇだすんなら

覚悟できてんだろ。

悠貴。」


「何のや?」


「だいたい

その関西弁。


挑発してるつもりか」



「ふっ、まさかー。

自然とミニついたんゃ」



「普通にもしゃべれんだろ」


「まぁな」


「さな奪ってどうする気だ。」

「さぁ、どうしょっかなー」


あえて、からかって見せるか

それくらいの余裕、なっきゃダセェもんな




「なぁ、悠貴くん。

そんなに、俺と対戦したいのかい?」





「まさか。

いくらトップ張ってるっていっても


昔の漫画みたいに一番強いわけじゃないよ。

それに、涼くんに敵うはずないじゃないか。」




悠貴もニコニコ返して来る。

さすがだな。