俺が睨んだので

男はビクつきながら逃げるように居なくなった


ったく


美紀はなにしてんだよ。


ほんとは美紀のせいではないのだが

苛立ちをぶつけれるのは美紀くらいだった。


美紀を見るとにこやかにこちらに

スキップする勢いで向かってくる。




「あ、三番なら、涼とじゃん。

安心だね。

ちなみに、うちは1

直となんだ」




と、さなに後ろから美紀が抱き着いて気ながら


声を弾まして、一気にしゃべる。



「え、メンバーも参加するの?」

さなが意外そうに聞き返す


「いつもは、やんないけど

面白そうだから、自由参加にしようって

幸がねー

しかも、メンバーのうち

何人か お化け役やるんだって」



美紀は楽しそうにいった。
そして、さなの耳元でなにか呟く


なに喋ってんだ?



さなも美紀になにかを言い返す

でも


顔が凄く赤い


ほんとになに喋ってんのか気になる







「御集まりの、みなさん。

これから、肝試しスタートしちゃいまーす。」


と、司会係が元気よく盛り上げる




「今年は な、なーんと

我らが、誇る 翼龍の幹部のかたも

参加するぜ。」



と、もう一人の司会係


「「でわでわ、1番から スタート!!」



俺らの番になり司会者の人達に案内についていく。



昼間にあけておいたらしき、


理科室の裏ドアの前にたつ。





さなに目をやると、こっちを見ていたのか


眼が会う





ドキン






胸がなった気がした


「いくぞ」



と、平然を装いながら歩き出す。



小走りについてくるさな。

追いつけるよう少しペースを落とした





まずは、理科準備室だ。

ここは、理科室だから、教卓の方の横についている

ドアを、さなが開けた。





見回しても、どっきりグッツは、なにもないようだ。




でも無駄にビクビクしてるさなを見るとつい、

意地悪したくなる。


ここは、王道だろ。



スマホの光をライトモードにして

顔の下からあててみる。



けっこうたのしいよな。

これ。





さなは振り返って

・・・ギャー

と、声にならない声を挙げて、端の戸棚まで俺をみたままさがる。





成功。