そんなことなら

俺が食わせてやるのに


「ほら、食えよ」


手に持ってる箸で、そのまま

から揚げを口に持っててやる


なんで、食わねんだ?


「早くしろ。目立つだろうが。それに・・・はずいだろ」


かなり目立つんじゃないか?

今時、食堂で食べさせ合うなんて


俺の思いが伝わったのか

さなは、パクッと食べてくれた


「あーん    ん~美味しい」



なんか、動物に餌付けしてるみてぇだ

ワクワクするな。

もっと、与えたい。

なんて言ったら失礼か?



「ほら、食えよ。

しっかり、食っとかなきゃ

もたねぇぞ」


と、ドンドン

口に入れていく。










「くるしーい。もうムリ。

ってか、後半わざとだったでしょ?!


眼が光ってたもん。」



完食したあと、

デザートを進めてみたが、さなに却下された。


さすがにやり過ぎたか。


「じゃ、出るか。ん。」


サラリと さなの抗議をかわしつつ


背中を向けて、さなの足元にしゃがんでおく。

乗れって伝わるだろう


「ありがとう」


そういって、乗るさな

そして、バスまでさなを背負って

歩いたのだった。




昼食休憩も終わり

先生方と

チェックポイントのところで、

待っていることになった

さなとは


その日、会うことはなかった。