【完】翼龍 ヨクリュウ ~あたしとクールで腹黒な総長と~



「悠貴はさー。

もし、涼になれるんなら今の居場所捨てられる?」


悠貴に分かって欲しい。
自分がかけがえのない存在だってこと。



「そうやなー。

ホンマになれるんなら考えるかもな」


悠貴は軽く答える。

まだダメだ。



涼は、黙ってあたしの話を聞いてくれる。

信じてくれている。

そう感じれるから、今のあたしはきっと強い


「嘘つき。」


「え?」


「絶対に無理でしょ。

だって、悠貴がドラゴンのみんなを捨てられるわけないもの。」


そう、大丈夫。

悠貴には、紅髪達がついている



「なんで、そないなこと

わかるん?

だいたい、ドラゴンの評判聞いてるやろ?

翼龍のほうが・・・」


「翼龍のほうが、なに?」



「・・・」


悠貴は、黙ったままだ。
ただ、ジーッと切なそうな顔をしている。



「悠貴には、大事な仲間ができてるじゃん。

それを涼と比べるの?

競うこと?」




悠貴はただ、ひたすら聞いている



「紅髪・・・シュンシュン達は

翼龍の涼ではなく、

ドラゴンの悠貴!

あんたについてるの。

あんたを慕っているの。

分かってるんでしょ?」



「ああ。」


短いけど、悠貴が返事をしてくれた。
いける。