【完】翼龍 ヨクリュウ ~あたしとクールで腹黒な総長と~



これこそデートだよね

デート♪

あぁ、なんて素晴らしい響き


たぶん、漫画ならトーンにふわふわ

小花が浮かんでピンクの世界になっているのだろう。


きゃ。

て、照れますね

これは。


完璧に二人の世界だったのを悠貴によって呼び戻される



「ハイハイ。わかっとるわ。

二人が仲ええんわ。

よー知っとる

・・・涼が選ばれんのもな」


ちょっと自嘲気味に悠貴が呟いた最後の台詞。

あたしに聞こえたってことは

もちろん涼にだって聞こえている


「てめぇは、まだ んなこと言ってんのか・・・」


あぁ、ダメだ。


「涼!」


あたしは涼を呼び首を振った





ここで涼がなに言っても意味はない。

たとえ、男の友情があったとしても

自分に無いものを持っている人がなにを言っても意味はないんだ。


そんなもの、あたしが良く知ってる。

嫉妬なんてそう簡単に埋まらないことも。




だから、あたしは