【完】翼龍 ヨクリュウ ~あたしとクールで腹黒な総長と~


次は、階段で3階までのぼるんだよね。

こんな、ただゲームするだけなんて、つまんない。

嫌、つまんなくはないけども。

話し掛けてみようかな?

そう思ったとき、

「なぁ、あの踊り場狭くね?」

と2階の踊り場をみて涼が話し掛けてくれた。

これこそ、以心伝心ってやつなのでは?

と、おもっていると

踊り場に着く

ガサガサという、音を立てて倒れてくる壁!?


いや、壁というより壁に立てかけてあった、

演劇部の背景のようだ。

ある程度まで傾き、また元のようにもどる。

という、感じだ。

あたし達が通ろうとすると

傾く。幸ってばどんだけ

手が込んでいるのよ。

そう突っ込みたくなる。

うん?

あ、話題にできるじゃん。

ナイス幸!

と勝手にあきれて、勝手に褒めるあたしって、

と自分でも自分勝手だなぁとおもう。

「ねぇ、このしかけって幸がつくったんでしょ!?

すごいよね。どうやって、準備したのかな。

ってか、手が込みすぎ」

ヴぅ、緊張し過ぎでもうめちゃくちゃなこといっちゃってる。


「あ゛、そりゃ、幸の友達の協力だろ。」

と、なぜか不機嫌な涼

「友達って、どんなつながりがあれば

あんなのが、準備できんの?」

と、階段の方をさす。

「そりゃあ、夜の・・・

いや、いい。大人や大学生に頼んだんだろ」

と、言葉を濁しながらごまかす涼。

あたしもそこまで子供じゃない。

しっかりと理解してしまった。

互いに黙ったまま歩いていると

、すぐに放送室に着いた。


辺りをみてもなにもない。

何かくると、おもっていたので拍子抜けだ。