【完】翼龍 ヨクリュウ ~あたしとクールで腹黒な総長と~

って、あれ?

もしかしてこれに当たると

水鉄砲が発射されるのか。

よし!

あたしも行かないとね。

ここを通んないと保健室までいけないし、

当たらないように通ればいいだけだもんね。

いくぞっと自分に活を入れ

くぐり始めるものの、

なかなか、難しい。

そして、あと、一本のところで

またしても、女子失格な声を挙げて

グワァ

とこける


あ、撃たれる。

そう思ったとき、

温かい体温があたしを包みこんだ。

涼がしっかりと抱きしめて

水鉄砲から、守ってくれたのだ。

涼はすこし身体を起こしてあたしをみる。

窓からの月明かりがバックにきて

綺麗な涼の顔をさらに神々しくしている。

「大丈夫か。

いくぞ」

と、突然涼に話し掛けられて

ハッとすると、あたしは涼に手を引かれて歩き出した。