【完】翼龍 ヨクリュウ ~あたしとクールで腹黒な総長と~

涼に追い着きながら

そんなことを考えてると、

廊下に赤いひかりが五つ。

先生が授業のときスクリーンに映したものを

指し示すのに使う。細い光が

ゴム飛びのゴムのように

クロスさせてあったり

高低さをつけてあったりして、

道をふさいでいる。

横には  

"当たらないように通れ"

とかかれた紙がある。

涼をみると。

くだらねぇ

と、顔に書いているかのようだ。

「いくぞ」

と、ふつうに歩き出す涼。

え?くぐらないの?

と思った矢先。

パシュ。

と、窓からなにか飛んできた。


慌てて、涼をみると

服が濡れて透けている。

を、これぞまさしく

水も滴るいい男じゃないですか?


と口元をおさえながら、

いい男の引き締まった筋肉をガン見してしまう。


ああ、どこまでも乙女にはなれないな

あたし。