受け渡されたあと 叫んだあたしに、 不機嫌そうに、でも抱える手は優しいままで 「なんだよ。 いやなのか?」 という。 そんなこと言われて 嫌なんて、いえる? いやいや、無理 ムリ 無理 ムリ 言えるわけないじゃないですか! 「ううん。嫌じゃない」 絶対。 あたしの顔 真っ赤だ そんな顔 みんなに見られたくない そうおもって、 掴まるふりをしながら、涼の胸に 顔を埋めた。