【玲央side】
「実結ちゃんすごーく怒ってたぞ。」
自分の席に座ると俺の席の前のやつ、三浦奏多が話しかけてきた。
同じクラスで入学式の日に仲良くなった。明るくてうるさくて茶髪だから一見チャラそうだけど、根はいいやつ。だけど……
「お前は、実結って呼ぶなよ。」
他の男から実結の名前呼ばれるの嫌なんだけど。
「はぁー?いいだろ。別に減るもんじゃねーし。第一、お前のものでもないじゃん!」
まぁな。俺のではないけどさ……
「早く素直になればいいのに。」
呆れた口調で奏多が言う。
それは分かってるけど今までこんなで来たわけだしいきなり変えるなんてできるかよ。



