天使の名を持つ少女

巨大な剣を背中に背負い、アールはラクエリとともに村の端に行った。


「まだ1日も経ってないのに…もう行くのかい?」


「心配しなさんな村長。すぐ帰ってくるさ。」


「アール兄ちゃん(≧∇≦)お土産よろしくね!」

「よろしくね~( ̄∀ ̄)!」


「はいはい、じゃあ、行ってくる。」













「ねぇ…アールくんの…その剣…」


「ん?あぁ、これ?珍しいだろ?『一角獣(ドレーグ)』って名前でな。親父の親父の、ずっ…と前の親父から受け継がれた剣なんだ。太陽光を利用したレールガンなんざ弾き返せる。もっとも、人間を倒すのに使ったことはないな、いつもサソリかアリジゴクが相手だ。」


「アールくんの村は…闘えるのはアールくんだけ?」


「あぁ、だから俺がみんなを守らないといけないんだ。」











ゥォォォ…



「……?なに?今の…」


「漠賊特有の雄叫びだ!どこだ…?」


耳を澄まし、雄叫びの方角を確かめた。


「……………!まずい!村だっ!戻ろ……」


アールが振り返った瞬間、細長いクナイの先端が、鼻先に向いていた。


「行かせない…」


「な…ラクエリ…?」


目の前の事態を理解できなかった。ラクエリが自分に刃を向けている。


「こうするしかないの…、私たちが、生き残るには…」


「私たちって…まさか…」


想定できないことではなかった。



ラクエリが、漠賊の一人かもしれないということは…