「う…あ…」


「あ、起きた
(`・ω・´)
お~い、アール兄ちゃ~ん!お姉ちゃん起きたよ~っ!」


少女が目を覚ますと、頑丈な藁でできたテントの天井が目に入った。


「お、起きたか。よ~しいい子だカイ。ご褒美にこれをやろう。ソラと一緒に食べるんだぞ?」


テントに入り口から体を覗かせたアールは、手に持っていたこんがり焼けたサソリの身のくし焼きを、カイに渡した。


「さて、起き上がれるか?」


「うん…あ。ありがとう。見ず知らずの私に、あれほどの水を…」


「ん…。別に気にしなくていいよ。それより気になるのは、『水を出せる』はずの『天使ラミエル』がなぜ人から水をもらう必要があった?」


アールの言葉に驚き、右腕を隠すように握った。


「そっか…見えちゃったか…」


『アクア・ラミエル』

別名:生きるオアシス
手のひらをかざすだけで無制限に水を出すことができる。その水は不老不死と呼ばれるほどで、一部の都では神に崇められる。


「ラミエルが自分の水を飲めないという実証はないはずだ。」


「わ、私は…水は出せない…。だ…『堕天使』…なの…」


堕ちた天の使者…。