天使の名を持つ少女

「……ソラちゃんが…アクア・ラミエル…？」


アールの表情は今までと違い、怒気に満ちていた。


「ソラは…ソラとカイは…かつて漠賊に捕らえられていた…。旅人だった俺は漠賊を滅ぼして、二人を助けた。なぜだか分かるか？俺は生きる砂嵐『ウィンド・ミカエル』だからだ！」


「…！！ウィンド…ミカエル…」


「お前だって知ってるはずだ。『天使』の名を持つ者が、どれほどの扱いを受けるか！今お前は、好きになった村を自ら滅ぼし、同じ血を持つ者を自ら拷問にかけようとしてるんだぞ！」


ラクエリはすぐに理解し、昨日と同じ涙が流れた。


「なら…なら私…どうすれば…」


「俺はシュペイツに行く！村を滅ぼしたいなら、ソラを拷問したいなら、俺を止めるんだな！」


一角獣を抜いて急いでシュペイツに向かった。アールが走り抜けると、嵐のように風が舞った。


「私は…私はどうすれば…」