照りつける太陽

恵みの象徴だった



…だった…



俺がまだ産まれる前…


─まだ世界の大地に潤いがあった頃



天使が大地に舞い降りた

天使は人々に力を与え

同時に太陽を…絶望を…運んだ
















「絶望…か。だが人は生きている。これが絶望と知りつつも…。…………、俺も何言ってるんだか…」



天気は雲一つ無き快晴、真上に一つ、東の地平線に一つ太陽がある。


蜃気楼と砂塵が舞う広大な砂漠、そこに一人の少年が佇んでいた。


逆立った黒髪だが、襟足から下は長く垂れ下がり、首もとで結っていた。


身長は160cmほどだが、顔立ちはかなりの童顔だった。

だが少年の外見で目立つのは顔立ちではない。


背中に背負った鋼鉄の大剣。
柄は頭と同じ長さ、刃は足首まであった。





「天使は微笑まない…。人が滅ばない限り…」