面白そうだと思った。
優の言ってたゲームが。
ちょうど何か暇潰しをしたいと思ってたところだったから。
何でこんなゲーム思い付いたのかわからないけど、悪くない。
俺、岡本千絋はリビングで話を聞くみんなの様子をうかがっていた。
女子にモテるゲームね。たしかに俺達兄弟だからこそ出来るゲームかも。
だって。ほら。
みんなかっこいい、俺の兄は。
多分一番モテるのは優。次に秋斗かな?
ま、俺と秋斗は中学生だからそこに何かしらの差はあるのかもしれないけど…
俺の兄はみんなモテると思う。
そして自分で言うのもなんだけど、俺も少なからずはその辺の男子よりはモテていると思う。
俺達兄弟全員が小学校に通っていたとき、父さんはこう言っていた。
「さすが俺と未菜の息子、全員イケメンだ!」
自分の息子……しかも小学生にそんなことを言うのはどうかと思うが、とりあえず親バカなことはたしかだ。
俺も最近、思うようになってきた。
「マシな顔で生まれてきて良かった」って。
秋斗に全部イケメン要素とられて生まれてたら俺、きっとがっかりされてたね。
中学に入って、光に誘われバスケ部に入部した。
光はバスケ大好き人間だ。
でも、俺はそんなことなかった。
三年間バスケを続け引退したが、高校でやるのかと聞かれれば、うんとは言いがたい。
夢中になれるものが欲しい。
彼女でも作れば少しは面白い毎日送れるのかなー。
部活をやめて高校も推薦ですんなり決まって、つまんない。
そんな中、優が提案してきたんだ。
「ねえ、ゲームしない?」
って。
優の考えるゲームは面白い。昔から俺を楽しませてくれた。
今回も退屈から抜け出せるんじゃないかな。
しかし、みんなは優のゲーム説明を興味がなさそうに聞いていた。