「ねえ、秋斗。やってみない?」
「何を」
優の提案を断り、自分の部屋へ戻った俺。
その一分後、俺の双子の弟、千絋が部屋に入ってきた。勝手に。
まあ千絋が部屋に入ってくるのはいつものことだけど。
「面白そうじゃない?優の考えたゲーム」
さっきからこいつは遠まわしに俺に先程のゲームをしようと言ってくる。
「お前はあんなめんどくさそーなゲームしたいの?したいなら秦とかと参加すれば?」
女にモテるゲーム?
めんどくせ。それって女と関わるってことだろ?
「まあまあそう言わずにー。ほら、優言ってたじゃん。優勝した人は好きな物もらえるんだよ?優勝してベース買ってもらえばいいじゃん」
……たしかに欲しいけど。
仮にそのゲームに優勝したとして、ベースを要求したとしてもそれもらえんのって一年後ってことだろ?
だったら高校入ってバイトして自分で買ったほうはえーし。
高校入学もあと二か月後だし。
「秋斗は何でそうめんどくさがりなんだろうね?ちゃんと人生楽しんでる?」
千絋は呆れたような顔。
「うるせ」
岡本秋斗。
中三、もうすぐ高一。
兄貴達と同じ高校行くの。ほんとは嫌だったんだけどさ。
家から近いしそれなりにレベルも高いし軽音部もあるしいいかなって。
俺はベースが趣味。
高校入ったらバンド組みてーな。
「俺ね、優のゲーム乗ろうと思ってる」
新しく出会う仲間とバンドを組み、演奏をする自分を想像していると千絋はそう一言、俺に言った。
「ふうん、頑張れば?」
「ほんとに興味ないんだね、面白そうなのに」
「どこが」
大体、優に勝てるわけねーじゃん。
だって、あいつ相当モテるだろ?

