僕はありがとうと言いながら女の子三人からチョコを受けとった。
「あの…まずかったらごめんね!」
「私も…ちょっと自信ないかも」
女の子達は僕の手にチョコが渡った途端にネガティブ発言。
そんなに不安なのかな。
「…味がどうこうより、僕にチョコを作ってきてくれたっていう事実が嬉しいから。ありがとね。家で食べるよ」
「っ…!ありがとう!」
僕の言葉に安心したのか、女の子達は嬉しそうに去っていった。
とりあえず三つ、か。
何作ってきてくれたんだろ。
僕はその場で中身を見てみた。
すると
「…………三つとも、生チョコ…」
あの三人で一緒に作ったのかな。
それにしても何で生チョコ?
ま、いっか。
そのまま昇降口へ向かうと
「……………ん?」
僕の下駄箱、空いてるんだけど。
まさか、いじめ?
そんなバカなと思いつつ、おそるおそる下駄箱に近づくと下駄箱から何かがはみ出ていた。
………紙袋?
荷物を足元において下駄箱を開けると、まず見えたのは上靴ではなく、大量の紙袋だった。
てゆーか紙袋しか入ってないよね?
僕の上靴どこに行ったの?
もしかしたら、奥のほうに入っているのかもと紙袋を全て取り出すも、上靴は見つからない。
なんなんだ、なんでなんだ。
「はよー優」
「!?」
突然声がしたから誰かと思えば…
「若田。ちょっと助けてほしいんだけど!」
「え?女にモテて困ってるってこと?お前も贅沢なやつだな」
クラスメートの若田だった。
ナイスタイミング。
「違うよ!僕の上靴がないの!一緒に探してほしいんだけど!」
「上靴?お前男子にひがまれて上靴隠されたのかー」
「何でそうなるんだよ!さっき来たら大量のこれが入ってて!上靴がなかったの!」
誰がそんな凶悪なことをしたんだろう。
「つーかその袋の中身なに?」
「知らない。まだ見てないし」
上靴ないのに袋なんて気にしてられないって!
「……もしかしてこれじゃね?」
若田が指さす先には……上靴。
僕の下駄箱がある列の一番下に入っている。
たしかにいつも使われていないなと思いながら、上靴の名前を見ると「岡本優」とはっきり書いてあった。
「……良かったな」
「………うん」
お前ちゃんと探したのかよ。
と目で若田に言われている。
とりあえず良かった。
若田に礼をして教室に着くと、さっそく僕は下駄箱に入っていた大量の袋を開けた。
袋は七つ入っていた。
中身は……生チョコ生チョコ生チョコ生チョコ…。
嘘でしょ…。

