兄弟戦争




電話の相手は同じ学校の女の子だった。


要件を聞くと「暇だったら買い物に付き合ってほしい」とのこと。

もちろんオッケーした。だって家にいても暇だし。

せっかくのお誘いを断るのも悪いし。



待ち合わせの駅に着くと女の子は既にそこにいた。


「まさかほんとに来てくれるとは思わなかったよ」

嘘つけ。絶対来ると思ってたくせに。

「せっかくのお誘いだもん。それに僕暇だったし」

心の中ではそう思いつつもそれは言わない。

「そーなんだ!今日はラッキーだなあ」

女の子は僕の腕を掴み「行こっ」と引っ張った。



この子、なんて名前の子だっけ。

同じクラスじゃないから他のクラスかな。


でも、いつ連絡先交換したんだろ。



……ダメだ、全然覚えてない。



「隣町まで行きたいんだけど時間とか大丈夫?」

「あ、うん。全然だよ」



名前も知らないこの子と僕は


これから一緒に時間を過ごす。




もし、さっきみんなが僕の提案したゲームに乗ってくれていればなあ。

僕はきっと一番だったのに。



僕の隣で楽しそうに笑う女の子を見て僕も笑った。