《優side》
チョコは好き。
だから、バレンタインは嫌いじゃない。
「優くん!おはよー」
「おはよー」
また、知らない女子からの挨拶。
「誰だっけ…この子誰だっけ…」と頭を悩ませることも多い。
「今日から二月……バレンタインだね!」
「あ、そういえばそうだね」
そういえば、なんて嘘。
「ねえねえ。優くんにチョコ、あげてもいい?」
女の子は少し照れくさそうに僕を見つめる。
「……うん」
僕は一言だけ、そう返した。
二月一日。
今日、バレンタインゲームがスタート。
今日っていっても、二月中にチョコをもらうなんてバレンタインの日がほとんどだろうけどね。
「何か、食べたいものとかある?」
「んーー。生チョコ、かな?」
別に食べたいわけじゃない。
パッと思い付いたのが生チョコだっただけ。
僕の言葉を聞いた女の子は「楽しみにしててね!」と言うとサーっとどこかへ行ってしまった。
てゆーかあの子誰だろう。
名前がわからない。
……まあいっか。とりあえずチョコ一個もらったみたいなもんだしね。
僕はそんなことを思いながら次の授業の準備をした。
次の日。
校門を通ると数人の女の子が近づいてきた。
「おはよう優くん」
「おはよー!」
「優!おはよう!」
……何で朝からこんなハイテンションなの?
「……どうしたの?」
「あのさ、だいぶ早いんだけど……バレンタインチョコ、受けとって欲しいの!」
「私も!」
「私もいいかな?」
いきなり三つ?ラッキー!!

