《千絋side》
「家事とか…どうすんだよ」
そんな秋斗の言葉に一瞬黙りこんだ俺。
たしかにどうしようって思ったよ。
でもさあ、普通に考えればどうするもこうするも
俺らがやってくしかないよね。って思う。
「んーじゃあ当番制にする?」
当番制かー。それならみんな平等に苦労するね。
優の言葉に頷くとなぜか秦が微妙そうな顔をする。
「無理」
秦は一言だけそう言った。
「はあ?」
秋斗は秦の言葉に顔をしかめた。
なんか、俺ら集まるといっつも空気悪いなー。
「俺、料理できない」
秦はみんなの視線を集めながらボソッと呟く。
「そしたら俺だってできねーし」
秋斗は相変わらず不機嫌そうな顔。
空気重いなーなんて思っていたら
「じゃあさ」
優が口を開いた。
「こないだ言ってたゲームしようよ」
「はあ?何でこんなときにそんなゲームしなきゃなんねーんだよ」
ああ、やっぱり。
優は面白い。俺をいつも楽しませてくれる。
あのゲーム、諦めてなかったんだ。
「そう怒鳴るなよ秋斗。じゃ、ルールを少し変えよう。その月に優勝した人は最下位の人に一つだけ命令ができる。それで、家のことも順位で決める。最下位は料理関係全般。四位は洗濯系全般。三位は掃除。これでどう?」
優は楽しそうに目を細める。
つまり、一位になれば得をして家事もやらずにすむってことね。
で、二位は順位的には高いけど得られるものは何もない。
三位と四位はちょっと家事をやらなくちゃいけなくて
最下位は……。
ふうん。いいね。
面白い。
俺ら兄弟が全員本気を出したら、どんな勝負になるんだろう。
俺は優の言葉に何の反応も見せない三人をじっと見つめた。

