スタスタスタ…

何だろこの無言タイム…

空気重いなあ…

やっぱなんか喋らなきゃだよね。

一応橘くんは転校生だし…



「あ、あのさ!橘くんは前どこの高校だったの?」

突然の質問で彼はびっくりしていた

だ、だよね。なにしてんだ私。

「ご、ごめ…「S高」」

ーーーーー!

「え!?S高ってめっちゃ頭いいとこだよね?」

「うん。」

「え、でもなんでこの学校に転校してきたの?
いたって普通の高校なのに…」



「親の仕事の関係で
引っ越さなきゃいけなくなったから」

「あ、あ、あ、そゆことか!」

わー。やらかした。

まためっちゃ雰囲気が…。



ーーーー「あ、ここ図書室ね!」

それからとりあえず

いろんな教室を案内した




ーーー「最後に、ここが資料室だよ!」


「ありがと…」

「うん!どーいたしま「ガチャッ」」

…え?ガチャ?

え、なんで今閉めたの…?

しかも偶然にも誰もいなくて

そこにいるのは私と橘くん。



「た…橘くん…?」

彼はこっちに寄ってくる。

「…え?」

やばい。やらかした。

今私の背中には壁がある…

こ、これは。

ーー逃げられない!

ドンッ!!

「キャッ!」

え、ちょ、ちょっとまって。

なに、混乱してるんだけど。

てててててか、これが壁ドン!?

「あ、あのたちば「ねえ」」

「はい!」

突然の声にビビる私。

「黒澤さん。俺のこと覚えてないの?」

…へ?覚えないの?え?どゆこと?

「ご、ごめん。どこかであったことある?」

彼はまた悲しい目をした。

「い、いや。なんでもない。」

「そ、そっか。」

「わるかったな。怖がらせて。」

「う、ううんっ。」

「じゃあ、また明日。」

「え?あ!うん!また明日!」

なんか落ち込んでる…?

私何かしちゃったかな…

覚えてなかったから?

でも一体どこで…。



「…絶対おもいださせるから」 

え?今なんか言った?



その後の塾はなんか集中できなくて

ずっと頭の中には彼の事ばかりだった。



そしてこの日の一日は終わった。



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な、なんだろ。

放課後の時の橘くんおかしかったなあ。

朝の時の橘くんとは
別人みたいだったし。



あれ?まただ。
なんだろ。もやもやする。



この時私はまだ知らなかった。

まさかあんなことが起きるなんて…