校舎前に咲く満開の桜…

春風のいい匂い…


そう。今日から。

高校二年生なのだ。


平凡と過ごしてきた毎日に

突然現れた転校生ーーー



-------------------------------


キーンコーンカーンコーン……
コーンカーンキーンコーン……




「よーし。お前ら席につけー。」



ガタガタッ。と音を立て
皆が席につく。



「今日からお前らも2年生だなー。
怠けてないでちゃんと勉強するんだぞー?」



『はーい』と
面倒臭そうに皆が返事をした。



「あ!!そーだ。
今日から転校生がはいってくるぞ」



その瞬間さっきの空気が嘘だったかのように
とても盛り上がっていた。



「せんせーい!女の子っすかー?」

「男の子ですかー?」

「かっこよかったりして♡」

「かわいいこだったらいいよなー♡」



ザワザワ騒がしい。



「お前らうるさいぞー!ちなみに男だ。」



ーーー『え!?男だって!!!』

女子軍は喜んでいる。



そして教室に入ってきた転校生は…



ーーーー『キャーーーー!』



クラス中の女子たちが騒ぐ



「はっ!?なにあれ!!」

「めっちゃいけめん!」

「え、私タイプかも〜♡」

「あ、ちょっと!わたしも〜♡」



騒ぐのもそのはず。

だって彼は…



黒髪の短髪に前髪は長く

そしてその隙間からみえる目は

くっきり二重の黒い瞳

そして誘惑するような唇

とても綺麗な顔立ちだった…。




どこから見ても彼は王子様のように

かっこよかったのだ。



「でわ、自己紹介してもらえるかな?」

と先生はいった。

「はい。
橘蒼汰(タチバナソウタ)です。
よろしくお願いします。」



また女子たちは騒ぐ。

「ねえ、聞いた?」

「聞いた聞いた!蒼汰くんだって!」

「めっちゃかっこいい♡」

「しかも何気おとなし系?」

「なんか余計タイプ〜♡」



こりゃまた賑やかなクラスになるな。笑



「じゃあー橘の席はあそこの席で。」

そこは一番後ろの窓側の席だった。

「はい。」





あれ?なんだろう…

このもやもや…