「莉子・・・怖かっただろ。びっくりしたよな」
次の瞬間だった。
何が起こったのか、わからなかった。
私が、潤くんに抱きしめられていると知るのには、かなり時間がかかった。
「じゅ、潤くん・・・!?」
「触れられるの怖いんだっけ、ごめん。でも、泣いてる女の子を見て抱きしめないなんて・・・無理だ」
「・・・・・・。」
抱きしめられているうちに、痴漢にあって心臓が破裂するほどの恐怖だったものがだんだん無くなって、気づけば潤くんの温もりに安心している自分がいた。
私は、触れられるのが怖かった。
だけどそれは、一瞬で潤くんが治してくれた。

