光の世界の住人


 駅に着いたその瞬間、男は逃走。


 逃がしてしまった。





 「……。」




 「……。」





 呆気にとられた私と潤くんは、ただ立ち尽くしていた。





 「莉子、大丈夫?」




 「あ、の…私、痴漢なんて初めてで…どうしたらいいかわからなく…てっ…」





 さっきのことを思い出して、また震えが止まらない。


 涙も気づけば溢れてきていた。