こつんっ
頭に何かがぶつかった。
「お・ま・た・せ~!!」
「なんだぁ、和か。」
「“なんだぁ”とはなんだよ。
買ってきてやったのに。」
「ありがと。」
「由香?食わねぇーのか?
食わなかったら俺が食うぞ?」
由香は顔を伏せて、何もしゃべらない。
「・・ったく。」
「俺が食う。」
春が横からひょこっと出てきた。
そして和が両手に持ってるアイスの
ひとつをぱくっと食べて、
もうひとつは私に手渡した。
「ああ!美味い!」
「ちょっ春、それ由香の・・。」
「まじ?ごめん、由香。
由香がそんなことしてるから
俺が食べちゃった☆」
「私のアイス!」
ムスッとした表情の由香は、
目元と鼻が赤かった。

