「明から離れろ。」
こんな恐い顔してる春、初めて見た。
「春ちゃ～ん、恐いよ？
もしかして、地雷踏んじゃった？」
「るせぇ。
俺を“春ちゃん”って呼んでいいのは和だけだ。」
こんな低く話す春の声、初めて聞いた。
「そんなの誰が決めた。」
「俺。」
でも言うことは変わってない。
「ぷっはははっ。
相変わらずお前は変なヤツだな。」
「ありがとう。」
でも、
あの笑顔はどこへ行ったの？
春じゃない。
いつもの春じゃないよ？
「それより・・」
春が握り締めていた拳を頭の高さに上げた。
殴るのはやめて！！
そう言おうとした。
先に、陽介の口が開いた。
