春の事を全て話して、 充洋は泣いてくれた。 辛かったね、って励ましてくれた。 その時に、 太陽とひまわりの話もしたんだ。 そしたら、 「子どもが生まれたら、 “葵”にしよう。 男でも女でも通用する。」 「なんで葵なの?」 「知らないのか? ひまわりは漢字で“向日葵”って 書くんだ。 俺が“向日”って名字なのは、 運命なのかな。」 運命―― ないと言われた運命。 いつか、春となら、と信じたな。 今度は、この人となら・・・ 充洋となら、信じれる気がするよ。