「明ちゃん。」
「はい?」
「春のお父さんに会った事はある?」
「はい。」
「あの人は、春を捨てた訳じゃないんだ。
借金を抱えてて、一人で稼いで返して
春が二十歳になったらやり直すつもり
だったんだよ。
確かに最初は反対してたけど、
それは由紀子さんが亡くなるって
わかってたからなんだ。
春が産まれた時はすごく喜んでた。
俺に春を預ける時は、
すごく悲しそうだった。
それに、今までも毎月ちゃんと
お金を送ってた。
アイツは、強がりだからなぁ・・。
春もアイツに似てる所あるよなっ!」
やっぱりそうだったんだ・・・。
春の親だもん。
いい人だって事はわかってた。
春の強がりは父親譲りなんだね。

