「ありがとう。
 急いでた?止めてごめんな。」

「ううん。大丈夫だよ。」

「このカセット聞くよ。
 じゃあな。」

「うん!またねぇ♪」


笑顔で、明るい声で、部屋を後にした。

私に気を使わせてはダメなんだ。

春は自分と戦ってる。


少しでも、春を楽にさせないと。



春は、あのカセットを

どんな顔で聞いてるのかなぁ?

喜んでくれたかなぁ?

少しは支えになれたかなぁ?


帰りの電車、そんな事を考えていた。