次の日、また寝坊をした。 昨日と同じ時間の電車に乗った。 寝坊したのに私は焦ってなかった。 理由は分かってる。 多分、昨日のあの人に会いたかったんだと思う。 でも、その電車にはあの人の姿はなかった。 期待していた自分がばかばかしく思う。 「明遅いー!おはよ。」 「一言めが遅いってなんだよ。おはよ。」 「二人とも“おはよ”が二言めなんですけど。おはよ。」 「ぷっはははっ。」 なにか楽しいことを考えよう。 そうだ。 春の顔を見てみよう。 「ねぇ、三組行かない?」