私は、正史と待ち合わせた夜に、
白い猫になってしまったことや、
猫のまま、正史と数週間過ごしたことを話した。

正史は、目をパチクリさせて、目の前の出来事が信じられないようだった。

そして、
私をぎゅっと抱きしめたまま、
朝を迎えた。

「おはよう、正史。」
「おはよう、凛。」

正史が、まじまじと私を見る。

「どうしたの?」
「いや、凛がさ。また、ミャウミャウになっちゃうんじゃないかと思ってさ。」
「そうしたら?どうする?」
「うーん…。」

正史は、頭をかきながら言った。

「それでも、お前と一緒に居るよ。いつまでも。」
「本当?」
「ああ。」

正史は、クンクンと私の匂いを嗅いだ。

「凛、ミルクの匂いがするな。」
「フフッ。」

そっと、私は正史の唇に唇を寄せた。
朝の光が、優しく体を撫でていた。