「え…?」


「あれが…水島くん…?」


「うそ…かっこいいんだけど!?」


女子が騒ぎ始めた。


「やっぱり。こう見たら、ガリ勉って雪哉くんに似てるじゃん!」


顔はわからないけど、発言者は絶対に小谷さんだ。


声でもわかるけど…ガリ勉って言ったしな…。


「小谷先輩、兄貴に眼鏡返してあげてくれませんか?兄貴ってかなり視力悪いんで。」


俺が言おうとしたことを雪哉が言ってくれた。


「あ…ごめん、ガリ勉。」


やっと眼鏡が戻ってき、視界がはっきりとなった。


眼鏡をかけると女子はいつも通りに戻っていた。


やっと作戦実行できる環境になったかな。


「小谷先輩、兄貴はガリ勉じゃないですよ?勉強してるところ見たことないし…。」


たぶん小谷さんと話したいがために出た話題だとは思うけど…雪哉、ナイス!


ガリ勉と言われなくてすむかもしれない。


「え!?でも成績かなりよかったじゃん!」


「兄貴はバカな俺と違っていい頭持ってるんです!うらやましい限りですよ…。」


この後も2人はチャイムが鳴るまでしゃべっていた。


なかなかいいムードで、ホッとした。