でも初めて撮影所を訪れてすぐにやっぱりやめたいと一臣さんは帰っていった。


俺にこの空気は無理だ…。


そう言い残して。


「そのあともう一度ここに来てもらったの。写真撮ってみようって。」


写真を…?


「モデルのやりがいとか楽しさをわかってもらいたくてね。」


まぁ、またモデルやるって言ってくれるかもっていう企みもあったんだけどね…と、笑いながら言う末永さん。


一臣さんが今モデルをやってる…ってことは…


「うまくいったんですね?」


「えぇ!1年経った今、我が雑談のトップモデルよ?あのとき、あきらめなくて本当によかったって心の底から思うわ。」


末永さんはすごくうれしそうだった。


末永さんの仕事のやりがいがわかる気がする。


「俺も…一臣さんみたいになれるかな…?」


俺はつぶやいた。