俺とお子ちゃま彼女

「あんたの外見、地味メガネなのにねぇ…。」


はぁ?


地味メガネって…ひどくね?


なんかへこむんだけど…。


「スカウト…メガネなしでだから。スカウトしてくれた人とぶつかっちゃって、眼鏡飛んだんだよ。」


「…そうよね。眼鏡の唯斗がスカウトされるわけないわ…!」


納得している母さん。


おい…息子だろ…?


「それにしても漫画みたいな出会いしたわね…。」


たまたまぶつかった人が雑誌関係者で…スカウト…


確かに…。


今思えば、漫画っぽい。


「唯斗はモデルやりたいの?」


いきなり母さんは真面目な顔をした。


地味メガネと言った母さんとはまるで別人だ。


「俺、モデルやりたい!本気でやりたいって思ったの、たぶん初めてなんだよ!」


自然と手に力が入った。


「唯斗の気持ちはわかったわ。」


伝わった…!


…じゃあ…


「でも、ダメよ。」


冷たく言い放たれた。