「ねぇ!」


一歩踏み出そうとした時、呼び止められた。


「はい…?」


「もう一度眼鏡外してくれないかな?」


え…!?


「な…なんでですか!?」


「いいからいいから!…ね?」


何がいいんだろう…。


そう思いつつも、この人にはなんとなく逆らえない…そんな気がして俺は眼鏡を外した。


「いい…!いいわ…!」


え…?


何が!?


「あなた、名前は!?」


「水島…唯斗ですけど…?」


反射的に答えてしまった。


この人…何!?


「唯斗くん!モデルやらない!?」


今なんて言った…?


モデル…とか聞こえたような…。


「えっと…もう一度お願いできますか?」


「だから…モデル!…やらない?」


聞き間違いじゃないな。


モデル…俺がモデル…


「えぇ!?俺がモデルっすか!?」


ちゃんと理解できてなかった俺はようやく理解した。