経済…経営…法…


何を学びたいんだろう…俺は。


確かなことは文系ってことだけ。


成績はまんべんなくだけどな。


「はぁ~…」


大学のことを考えるとため息が出てしまう。


自分がやりたいことのなさに呆れて…。


ドンッ━


ちゃんと前を見てなかったせいで、走ってきた人とぶつかってしまった。


「すっ…すいません!大丈夫ですか!?」


ぶつかってしまったのが女性だということがわかった…声で。


「俺こそすいません!あの…眼鏡落ちてませんか!?」


俺の視界はぼやけていて、どこに眼鏡があるかわからなかった。


「あっ、はい!どうぞ?」


「ありがとうございます…!」


俺は眼鏡を受け取りかけた。


女性は大人でいかにも働いてます!って人だった。


「ぶつかってすいませんでした!では…」


俺は深々と礼をして、また本屋の方へ体を向ける。