コンタクトをする気にはなれなかった…確かにそうだけど、他にも理由がある。


「俺の隣の席に小谷さんがいた…あの頃に戻りたくってさ…。」


小谷さんがアメリカに行った日、俺は前向きに考えることができた。


でも春休みも終わりに近づいてくるに連れて、今すぐにでも会いたいという想いが募った。


雪哉を責めるわけでもないし、今だってまた何年後かに会えるって信じてる。


信じてるけど…会いたいんだよな…。


「眼鏡かけたって、あの頃に戻れないことくらいわかってる。でも…」


何かしたかった…。


「唯兄…あたしも戻りたいよ?」


え…?


「雪哉とまた昔みたいにしゃべりたい。昔に…戻りたい…。」


弥生…。


弥生は晴れた青い空を悲しそうに見上げていた。


弥生の目には…仲良かった俺ら3人が映ってるのかな…?


弥生の想い…いつか雪哉に届きますように…。


俺の目には…うん。


まぶしいくらいの小谷さんの笑顔が映ってるよ…?


小谷さん…アメリカの空はどんな感じですか…?


俺らが見ている空くらい晴れていますか…?