「その子、図書委員が同じなんだけど…2年4組の先輩なんだ。」


2年…4組…


それって…


「俺のクラスじゃん!」


実は俺は2年4組25番だったりする。


俺のクラスの図書委員って…誰だっけ?


「だから、兄貴にお願いしてるわけ。」


お願いしてる立場のくせにちょっと偉そうな雪哉。


「名前は?図書委員が誰だかわかんねぇ。」


「こ…に…よせん…い…」


偉そうにしていた奴が、今度は恥ずかしいらしく小さい声で聞き取れない。


「誰って?」


「小谷陽夜[コタニヒヨ]先輩!」


雪哉ははっきりと言った。


下の名前まで覚えてるっつーことは本気なんだな。


それにしても…小谷さんって…どの人?


俺は女子の名前を覚えるのが苦手。


顔と名前が一致しない。


俺は立ち上がり自分の部屋に行った。


そして、始業式で撮ったクラス写真を持って雪哉の部屋に戻った。


「小谷さんって…どの子?」


俺は雪哉に写真を差し出す。


「兄貴…同じクラスなのに小谷先輩わかんねぇの…?」


半笑いで聞いてくる。


「うるせぇ!お願い聞かねぇぞ!?」


気にしてんだから言うなよ…弟…!