「聞いてやる!…けど、それより俺の話が先。」


「なになに!?」


まるでプレゼントを楽しみにしている子供のよう。


「雪哉…お前告るのくらい教えてくれたっていいだろ?」


俺がそう言うと、驚いた表情を見せた。


「ご…ごめん!返事もらってから報告しようと思ってさ♪」


ふ~ん。


って…確か、雪哉は聞いてほしいことがあって俺の部屋に来たんだよな?


つまり…小谷さんが返事したのか!?


「よし。雪哉の話聞くぞ。」


「実は…OKもらいました!!」


おっ…けい…


「よ…よかったな!雪哉、よくやった!」


俺は…ちゃんと笑えていますか…?


ここまで気づかなかった俺は…完全にバカだ…。


鈍感とか…そんな次元じゃない。


恋なんてしたことなかった…これも違う。


雪哉が小谷さんからOKをもらったのに…


喜ばしいことなのに…


全く喜べなかった…。


これが…恋か…。


初恋は叶わない。


まさしくその通りのようだ。


…自分の気持ちに気づいたこの日から…

俺は少しずつ変わり始めた。