な…泣いてる…!?


ガタッ━


小谷さんはなにも言わずに勢いよく教室を出ていった。


俺は…考えるよりも先に身体が動き、小谷さんを追いかけていた。


「こ…小谷さん!待って!」


俺の声が聞こえたようで、小谷さんの足は止まった。


「小谷さん…「来んな!」


俺が小谷さんに近づこうとすると、止められてしまった。


「…でも泣いて「泣いてなんかない!もう…追いかけてこないで…」


小谷さんの声がだんだん小さくなっていく…。


バタバタッ━


小谷さんは…俺の前から去っていった。


俺はただ後ろ姿を見ていることしか出来なかった…。


帰り道…


小谷さんが雪哉にどう返事するのか。


それを考えながら、とぼとぼと歩いた。


たった10分で帰れる距離。


でも倍の20分くらいかけて帰った。


家に着いて…俺はベッドに転びながら、また新たなことを考えた。


俺は…小谷さんをどう思っているのか…。


確かなのはもう小谷さんを嫌いではなくなっているということ。


他は…わからないことだらけだよ…。


「あーにき!聞いてくれよ!」


部屋にハイテンションの雪哉が入ってきた。