『何日かかってもいいから告れよ!』


『雪哉なら小谷さんOKしてくれるって!』


いざ口に出そうとしても、こういう励ましの言葉が出ない。


ひとまず深呼吸して…


「雪哉。両想い目指して頑張れよ!」


なんとか雪哉を応援することが出来た。


「兄貴…俺、頑張るから!」


無邪気な笑顔に気合いの入った声。


一瞬、寂しい感じがした。


胸が…痛くなった気がした。


身体は正直な反応をしているのに気づかない。


俺は鈍すぎた。


恋というものを知らなさすぎた。




…俺は1ヶ月経っても2ヶ月経っても、自分の気持ちに気づくことはなかった。


俺の身体は前よりも正直な反応をしていたのに。


気づいてれば…未来は変わってた?


いや、気づかないほうがよかったんだよな?


自分が幸せかよりも…


雪哉が幸せかのほうが大事な俺にとっては…。




そして、この日が訪れた。


暑いという言葉よりも寒いという言葉のほうが、使われるようになった季節のこと…。