あれはもう5年前になるだろうか。

小学校4年の夏休み、家の事情で転校することが決まった。

転校といっても同じ町内の別の学校ってだけで、中学に上がったらどうせ一緒になる。

だからそんなに寂しくはなかった。

寂しくはなかったけど、なぜか涙が溢れて、

毎日ベッドの中で泣いてた。

人見知りの私に友だちはできるのだろうか。

ちゃんとやっていけるのだろうか。

嫌われないだろうか。

今思えば、そんな気持ちが涙を溢れさせてたんだと思う。



そんなモヤモヤが消えない内に、

2学期の始業式の日はやってきた。

その日、私は君と出会った。